投稿日:2024/11/05 最終更新日:2024/11/07
ビザンチン将軍問題とは?
ビザンチン将軍問題とは?
ビザンチン将軍問題は、複数の主体が互いに通信し、共通の合意形成を試みる際に、一部の主体が意図的に誤った情報や行動をとる可能性がある状況において、いかに信頼できる合意を形成するかというもの。
なぜ「ビザンチン」か?
「ビザンチン」は、東ローマ帝国の首都コンスタンチノープル(現在のイスタンブール)を指す言葉で、歴史的に複雑な政治状況や内紛が頻発していたことから、信頼性の低い状況の代名詞として用いられている。
なぜ「将軍」か?
複数の将軍が遠隔地から指揮を執り、包囲された都市を攻撃するか撤退するかを決定するという状況を想定している。
この時、一部の将軍が敵に寝返っていたり、誤った情報を伝えてくる可能性がある中で、いかに全軍一致の決定を下せるかが問題となる。
ビザンチン将軍問題が重要である理由
この問題は、現代の分散型システム、特にブロックチェーンにおいて非常に重要な意味を持っている。
分散型システムの信頼性
ブロックチェーンは、中央管理者が存在せず、多数のノードがネットワークを構成している。
この分散化は、システムの耐障害性や耐検閲性を高めるが、一方で一部のノードが不正な情報を伝えてくる可能性も孕んでいる。
合意形成アルゴリズム
ビザンチン将軍問題を解決するために、様々な合意形成アルゴリズムが考案されている。
代表的なものではプルーフオブワーク(PoW)やプルーフオブステーク(PoS)などがある。
これらのアルゴリズムはブロックチェーンの基盤となる技術と言われている。
ビザンチン将軍問題の解決策
ビザンチン将軍問題に対する完全な解決策は、まだ見つかっていないが、いくつかのアプローチが考えられる。
- 多数決…最も単純な方法、不正なノードが多数を占める場合は正しい合意が得られない可能性がある
- デジタル署名…メッセージの改ざんを防ぐことで信頼性を高めることができる
- タイムスタンプ…メッセージの送信時刻を証明することで古い情報を排除することができる
- バリデータ…ネットワークに参加するノードの信頼性を評価し不正なノードを排除する仕組み
ブロックチェーンにおけるビザンチン将軍問題
ブロックチェーンでは、ビザンチン将軍問題を解決するために以下の要素が重要となる。
コンセンサスメカニズム
ネットワーク上の全てのノードが、新しいブロックを追加する際の合意形成を行うためのアルゴリズム。
経済的インセンティブ
正しい行動をとることを促すための仕組みで、例えばPoWではマイニングによって報酬を得ることができる。
ネットワークの分散化
中央集権的なシステムでは、単一の攻撃対象となるため分散化が重要。
Paxos
信頼性が低いプロセッサのネットワークにおいて合意の問題を解決するためのプロトコルの集合のことを指す。
これはまさにビザンチン問題の解決に向けたアルゴリズムと言われている。
理解するのにとても難解で実装難易度も高い感じ。
(参考資料の内容は少しずつ読み進めているのでいつか追記しようかな、、と)