【検証】教員採用試験は本当に難しいのか?

投稿日:2022/09/13 最終更新日:2022/10/27

【検証】教員採用試験は本当に難しいのか?

毎年8月になると教員採用試験のシーズンとなります。

多くの大学生や非常勤講師の方々がチャレンジをしておりますが、かくいう私も経験者です。

私は独学で採用試験の勉強をしていたからか、教授や周りの先輩から「難しいからしっかり対策をしたほうがいいぞ」とよく言われていました。

しかし、実際受験したのが1つの自治体だけだったのもあり、広い目で見たときに教員採用試験って本当に難しいといわれる試験なのか疑問でした。

その疑問を解消すべくいろいろな観点から教員採用試験の難易度についてまとめてみました。

倍率からみる難易度

まずは倍率から難易度を確認してみます。

いくつかの資料を引用しつつ倍率をまとめていきたいと思います。

(1) 全国の平均的な倍率

最新の令和2年度では3.9倍のようです。

倍率が最高値を記録した平成12年度の13.3倍と比較すると約1/4程度の難しさといえそうですが、私が大学生の頃である平成25~28年度辺りでも約6倍弱ですので、比較すると現在のほうが低くはありますが、大差はないといえそうです。

(2)小学校の採用試験倍率

最近ニュースになっていましたが、小学校の採用倍率が過去最低を記録しました。

令和2年度の倍率は2.7倍であり、平成12年度の12.5倍と比較すると約1/6になります。

また令和2年度の受験者数に対する合格者の割合は37.33%で、平成12年度は7.9%ですのでだいぶ受かりやすくなっているといえます。

ちなみに受験者数が最高を記録した昭和55年度では30.7%ですので、今とそんな変わりないので平成12年度あたりが難しすぎたのかもしれません。

(3)中学校の採用試験倍率

中学校の採用倍率は令和2年度で5倍となっています。

近年は倍率が低くなっており最低値の平成3年と比較しても変わらないくらいの低い数値ですので受かりやすい言えます。

しかし、合格率で見た場合に19.95%なので小学校の倍率と比較すると半分程度しかありません。

ちなみに最高値の平成12年度は合格率が約5%ですので、ほんとに大変ですね、、

なので、今までと比較すると受かりやすくはなったけど依然として合格率は低いということですね。

(3)高校の採用試験倍率

令和2年度の高校採用試験倍率は6.1倍となっています。

高校教員の採用倍率は平成22年度あたりから大きく変化はありませんので、正直ガックリと下がっているようではないようです。

合格率も16.40%と中学校の採用倍率と大きな差はありません。

おそらくですが、教科によって倍率はかなり違ってきますのでおそらく社会科や体育科などは12倍以上あると考えていいでしょう。

筆者が大学生だったころの平成25~26年度でも「高校は難しい」と言われていましたので、例年通り難しいといえます。

(4)自治体別の倍率

今度は自治体別で見てみましょう。

表3列目の「計」を中心に見ていきますが、倍率が5倍以上の自治体/3.5倍以下/3倍以下の自治体の3つを抜き出していきます。

5倍以上の自治体「三重県」「大阪府」「兵庫県」「奈良県」「鳥取県」「徳島県」「高知県」「沖縄県」「堺市(大阪府)」「京都市(京都府)」

3倍以下の自治体「山形県」「茨城県」「富山県」「広島県」「佐賀県」「長崎県」「北九州市(福岡県)」

つまり、近畿圏は倍率がかなり高いため難易度が基本的に高い傾向にあります。

四国も愛媛が全国平均以下ですが他と比べると倍率が高い地域をいえそうです。

逆に東北や九州の北あたりは倍率が低めの自治体が多いようです。

なので、倍率は自治体での差が大きく難易度もかなり変わってきそうです。

まとめ

倍率だけでみると小学校教員の場合は難易度が低めといえそうです。

中学校や高校は倍率が少し下がってるようですが、合格率自体が20%以下ですので受かりやすい試験とは言えないかなと思われます。

自治体別でも近畿圏は難しいけど、東北と九州の北側は受かりやすいといえそうです。

時代から見る難易度

過去の採用試験から見た場合という意味なのですが、先ほどの倍率の部分で大分ネタバレしているためと言わずともわかっていると思います。

過去と比較して小学校はかなり易化しています。

中学校や高校もそこまで簡単とはいきませんが、過去を見れば簡単になった部類に入るかと思います。

勉強時間から見る難易度

こればいろんな国家試験や資格と比較していきたいと思います。

教員採用試験の必要勉強時間は約600時間といわれていますので、この数値が基準になります。

ざっとですがいろんな試験を羅列してみました。

  • 簿記3級:150~200時間
  • ITパスポート:100時間
  • 通関士:400~500時間
  • 簿記2級:350〜500時間
  • 基本情報技術者:200~300時間
  • 司法試験:3000~8000時間
  • 公認会計士:4000時間
  • 税理士:3000時間

ここで見ると税理士や司法試験、公認会計士といった士業は3000時間以上のようです。大変ですね。

それと比較すると教員採用試験は1/5程度の勉強時間となりますので気は楽になりますね。

同様の勉強時間を要する試験を見てみると基本情報技術者試験や通関士などの資格と同等の勉強時間が必要と考えられます。

基本情報技術者試験は合格率が30~40%の試験ではありますが、しっかり勉強をすれば取得できる資格です。

ただ基本情報技術者試験よりは勉強時間が必要になっており、面接や模擬授業など学力だけでは測れない科目もありますので、一概に同等とは言えないですが、まんべんなく長い時間をかけてコツコツやれば絶対に受からない試験ではなさそうです。

なので、ほかの試験と勉強時間を比較してみた場合の難易度は普通くらいといえそうです。

試験内容から見る難易度

執筆中

結論

筆者自身も調べてみて教員採用試験の傾向が伺い知れてとても面白かったです。

教員数が徐々に減っていると報道や雑誌などでよく聞きますが、中学校や高校はあまり変化がありませんし、自治体による差が大きいのだろうなと思います。

それでも人によっては何年もかけて合格を勝ち取る人もいますので、模擬試験を受けて対策を建てたり、長期的なスケジュールを作成して計画的な勉強を進めていくことは大切になるでしょう。

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とはいえ受験生の方々としてはどこを受験するのか参考になる情報も多そうです。

ぜひこれを機に受験計画を見直してみてはいかがでしょうか?