V8(JavaScriptエンジン)を少しだけ語れるようになる

投稿日:2023/06/21 最終更新日:2024/12/21

V8(JavaScriptエンジン)を少しだけ語れるようになる

みなさんはV8 (JavaScriptエンジン ※以下、V8)を知っていますか?

聞いたことある人は多いと思いますが、語ることの出来る人は少ないかと思います。

今回はV8について最低限の知識を持って語れるようになるための知識を紹介します。

V8とは?

V8はGoogleが開発したオープンソースのJavaScriptエンジンで、高速かつ効率的なJavaScriptの実行環境を提供することが出来ます。

有名どころで言えばGoogle ChromeなどのChromiumベースのブラウザや、Node.jsなどで採用されています。

また、V8の由来は車で使用されている「V型8気筒エンジン」に由来していると言われています。

V8は何をするのか?

V8はJIT(Just-in-Time)コンパイラを使用しており、実行時にJavaScriptコードを中間コード(ブラウザが扱える機械語への変換前コード)に変換することで高速な実行を実現します。

つまり簡単に言うと、無駄な機械語変換をせずにブラウザにあるV8で動く形に変換出来ちゃうよということです。

通常、C言語などに代表するコンパイラ型言語は機械語への変換を必要とします。

しかし、JavaScriptなどのインタプリタ型言語は機械語以前の中間コードまでの変換で使用出来る場合がほとんどで、それはV8のような専用のコンパイラが用意されているからです。

そのため、無駄な変換に時間を割くことなくJavaScriptを実行できるということです。

 

その他にも、コードの最適化にも力を入れており、プロファイリング情報を活用してより効率的なコードを生成します。

さらに、V8はメモリ効率の最適化にも取り組んでおり、ガベージコレクションのアルゴリズムやメモリ管理手法によって、メモリ使用量を最小限に抑えながら高いパフォーマンスを実現します。

V8の特長

ここまでの内容を踏まえてV8の特長をまとめていきます。

JITコンパイレーション

Just-In-Time (JIT) コンパイレーションと呼ばれる手法を使用して、JavaScriptコードを高速に実行します。

JITコンパイレーションは、実行時にコードを機械語に変換することで、効率的な実行を実現します。

ハイパフォーマンス

高速な実行速度を実現するためにさまざまな最適化技術を使用しています。

これには、インラインキャッシュやポリモーフィックインラインキャッシュ、インライン展開、ジャストインタイムインライン展開などが含まれます。

これらの技術によって、より効率的なコード実行が可能となります。

メモリ管理

効率的なメモリ管理機構を備えています。

これには、ガベージコレクタやヒープ領域の最適化が含まれます。

V8は、不要なオブジェクトを自動的に検出し、解放することでメモリの効率化を図ります。

オブジェクトモデル

JavaScriptオブジェクトを効率的に表現するためのオブジェクトモデルを持っています。

このオブジェクトモデルによって、オブジェクトのプロパティやメソッドのアクセスが高速化されます。

プロファイリングツール

開発者がパフォーマンスのボトルネックを特定し、最適化の余地を見つけるためのプロファイリングツールを提供しています。

これにより、開発者はアプリケーションのパフォーマンスを向上させるための改善点を見つけることができます。

まとめ

このようにV8は高速性と最適化の技術によってJavaScriptコードの実行を効率化し優れたパフォーマンスを提供する技術です。

紹介した知識は最低限語れるようになるためのものですので、追って詳細な内容も紹介していきたいと思います。

参考資料

V8 JavaScript Engine

An Introduction to JavaScript Engines

JavaScript engine fundamentals: optimizing prototypes

V8 design principles

V8公式ウェブサイト

V8 GitHubリポジトリ